失業率が3.5%から3.8%へと上昇した米8月雇用統計では、労働参加率も上昇し、賃金はやや鈍化。雇用者数の伸びは足下で減少傾向ながら、過去の平常時レベルに戻ってきた状態。
乱高下の反応となったNY金はドル安に連れて1980.2ドルまで急騰後に失速。その後はISM製造業景況指数の上ブレなどもあり、ドル高の流れに連れて1960ドル台へと押し戻される展開に。
日足レベルでは一目均衡表の雲の上限(1964.2)をわずかに上回ったものの、雲のねじれ付近で上ヒゲを残しての失速状態。
結果的に5月高値と7月高値を結ぶラインの延長線上で上値を押さえられる格好となり、上値切り下げの構図。その一方で2月安値から3月上旬安値圏、8月安値圏などを経て下値を切り上げるサポートラインと合わせて中期三角保合いを形成。
中期三角保合いの起点となった2月安値から5月高値の61.8%戻し(1915.7)付近では、この夏二度サポートされる形となり、7月高値をネックラインとするダブルボトム形成への可能性も継続。
雇用情勢の適度な軟化でリセッション懸念も緩和、追加利上げ観測後退でもインフレ高止まりと高金利維持への思惑などからドル高の流れがもう一段継続となれば、雲のねじれ付近で上ヒゲを残して三角保合い上限ラインに跳ね返された流れが、もう少し続く可能性も。
そうなればNY金の9月相場序盤は薄くなった雲の下限割れ、さらには三角保合いの下値サポートラインとの攻防も意識されることにも。中期三角保合い下抜けとなれば、61.8%戻しから1900ドルの大台ライン近辺までの重要水準との攻防へ。
逆に米指標の悪化加速やインフレ鈍化が一段と進行するなどして9月FOMCに向けて今後の見通し悪化も予想されそうな状況となれば、三角保合い上抜け再トライへと向かう可能性も。そうなればダブルボトム完成トライへと向かうことにも。
いずれにしても、重要な攻防局面を迎えたNY金の9月相場では、中旬のCPI、20日のFOMC、2度めの雲のねじれを経て9月末。三角保合い先端へと向かうこれらのタイミングのどこかで上下どちらかへとブレイクし、それなりの変動を伴う局面形成となる可能性も高まりそうです。
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