6月FOMC直前、最後の判断材料の一つ、5月CPIは想定外の上ブレ。
前年比+8.6%は市場予想の+8.3%を上回り、4月の+8.3%からは横ばい予想、3月の+8.5%からは鈍化予想に反して想定外の一段高。
1981年12月以来、40年5ヵ月ぶりの高水準となり、高インフレもピークアウトして市場の注目は今後の収束動向へ、との思惑も裏切られる結果に。歴史的高インフレのピークアウト待ち状態のまま、6月FOMCに臨むことにも。
この結果、異常な高インフレ長期化と大幅利上げに伴うスタグフレーション懸念も緩和どころか再拡大、リスク回避の株安に円高の流れに。
大幅利上げ継続はNY金にとっても重石となって足下の反発基調もなかなか進まず、しかし大幅利上げのその先を警戒してのリスク回避の流れがサポートにも。
そんな両面が素直に指標発表後の反応にも表れた格好で、売り買い交錯の乱高下。結果的には週末のNY金は急落後に下ヒゲを残して反発。これまでの保ち合い状態から抜け出そうかという状態にも。
インフレ収束に向けてFOMCでタカ派傾斜が強まれば、同時に景気減速への警戒感から株安基調を助長することにもなりかねず、今回はFOMC内でも判断が分かれかねない、難しい状況となってきたかもしれません。
インフレの収束見通しがある程度見えてきて、利上げペース見通しももう少し明確化するまでには、もう少し時間を要することにもなりそうな状況にも。
そう考えると、FOMC後にもNY金の反発基調は加速へ、と単純な流れにはなり切れないのではないか、とも思われます。
4月高値(2003)から5月安値(1785)までの23.6%戻しから38.2%戻しまでのレンジを上抜け始めた現状を、維持できるかどうかが目先のポイントにもなりそうで、切り下がる雲の上下限も抵抗帯となれば、50%戻しと6月末以降の雲の上限が重なる1894ドル、1900ドルの大台ライン付近はまだしばらく強めの抵抗帯となるかもしれません。
38.2%ライン超えを維持できたなら、当面の主要レンジは1800ドル台後半へ。38.2%ライン超えに失敗なら23.6%戻しまでのレンジに逆戻り、当面の主要レンジは1800ドル台半ば、ここまでの保ち合い状態延長戦へ、ということにもなりそうです。
スポンサーリンク
主要レンジ上方シフトをかけたプラチナの攻防ライン(6/5)
月末月初の攻防のその後、NY金の主要レンジを形成する重要水準(5/29)
上昇チャネル下限回復を目指すNY金、月末月初の攻防へ(5/22)