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インフレ鈍化、NY金は3月以降の下落トレンドは脱却したけれど

インフレ鈍化、NY金は3月以降の下落トレンドは脱却したけれど

今週発表された米7月の消費者物価指数(CPI)は前年比+8.5%など、主要インフレ指標が市場予想を下回って伸び率ではピークアウトの兆しを示したことで大幅利上げ継続観測は後退。
9月FOMCでの0.75%利上げ確率は低下し、今週末時点では0.5%利上げがメインシナリオに。
CPIが市場予想を下回る結果となったことを受けてドル安の流れとなって米株が急騰。NY金も小幅に急騰とはなったものの、巻き戻しも入って上げ幅は限定的に。
それでもNY金は今週、3月から続いた中期下落トレンドの上値抵抗線をなんとか上抜けた格好にも。ただ、7月後半から一本調子で鋭角に上昇してきた短期上昇トレンドの下値サポートラインも下抜けてしまった状態。

米株市場がインフレ鈍化の先の利上げ幅縮小と早期の利上げ打ち止め、来年には利下げも?との楽観見通しなども意識したかのように上昇基調を強めたのに対し、金市場ではインフレ鈍化を慎重に受け止めた様子も。
今回の結果ではインフレの伸び率が鈍化したに過ぎず、歴史的高インフレ状態にあることに変わりはなく、今後FRBの目標2%台に向けて順調に伸び率が低下していく見通しがたった訳でもなく、その乖離幅からは不透明感が強く残る状況。利下げ時期見通しはおろか、利上げフェーズの終着点を見通すのにもまだ時期尚早の感も。

NY金の下落トレンド脱却を阻んできた壁との攻防状況としては、
1)大幅利上げ継続見通し→9月は0.75%から0.5%利上げへとやや緩和。
2)スタグフレーションを含むリセッションや景気減速懸念の緩和→週末のミシガン大消費者信頼感指数の改善などもあり、やや緩和。
3)ドル高基調とその継続見通し→雇用統計後の急反発はCPI後の急落で帳消しも今週末にかけては下げ渋り、7月からは緩和された状態で方向感は横ばい。

節目となる抵抗水準との攻防状況としては、
1)3月8日と4月10日高値を結ぶ今年の下落トレンド上限ライン→上抜け。
2)3月の今年高値から7月の今年安値までの38.2%戻し(1831.4)→10日高値で1824.6ドルまで、攻防継続。
3)90日移動平均線(1832.9)→攻防継続。
4)一目均衡表の雲の下限(1796.7)→上抜け。
5)200日移動平均線(1842.2)→攻防継続。
6)一目均衡表の雲の上限(1844.3)※月末にかけて1780ドル近辺まで下落→下限突破に伴い追加された節目、攻防継続。

引き続き1840ドル近辺がこの夏の重要な攻防水準にもなりそうで、中期下落トレンドは脱却したけれど、しばらくは上値も重く、NY金は横ばい傾向気味の新たな短期トレンド形成へと向かう可能性もありそうです。

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