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デュアルマンデートのデッドロックにFRBもNY金も方向感模索

デュアルマンデートのデッドロックにFRBもNY金も方向感模索

パウエルFRB議長はこの週末、テーパリングについては「近く開始すべき」と従来どおりのスタンスを改めて表明。
そして、コロナの影響による高インフレは来年には緩和される可能性があることから、利上げについては時期尚早、とこれも従来スタンスを踏襲。
その一方で、供給制約によるインフレ高止まりは従来の想定よりも長引く可能性があることを認め、来年にかけても想定を上回り続ける可能性への警戒感を示しました。

FRBの理想としては、雇用回復基調が今後も順調に続き、その上で賃金上昇も進行するなどしてインフレも適度な範囲で上昇へ。そしてインフレが適度な範囲外へと上昇し続けるようなら市場の過熱感冷却の為に利上げフェーズ入りへ。
しかし、現実には雇用回復はある程度順調に継続も、もう少しの状態。その一方で供給問題からインフレ上昇は想定以上に進行し、今年春以降は既に目標範囲を超える水準にあり、一時的と見ていたインフレ高騰が収まらない状態に。

高インフレ抑制のために早期利上げに踏み切れば、雇用最大化に向けた流れを抑制することにもつながりかねず、雇用最大化に向けた流れを見守り続けて高インフレを放置すれば、取り返しのつかない事態にも陥りかねず、FRBとしては「完全雇用と物価の安定」というデュアルマンデート達成に向けたデッドロック状態に陥りつつあるようにも見えます。
現状の高インフレが純粋なデマンドプル・インフレではなく、コストプッシュ・インフレの面が強く、FRBの判断をより難しくする状況が進行していると見ることもできそうです。

この状況が、最近のFOMCメンバの意見対立にも表れ、そしてこの日のパウエル発言に至る迷いを誘発、さらにはこの日のNY金の乱高下にも影響しているようにも見えます。
いずれは利上げフェーズ入りが既定路線、との見方で時間こそ前後してもどちらかといえば、ある程度は軟調方向へと進行しやすいとの予想が優勢だったのが、ここに来て供給制約に伴う悪影響などが拡大し、インフレ抑制のための利上げがNY金にとっては単なる売り材料だけにとどまらない可能性も想定されるかもしれません。
単純に上方向優勢か、下方向優勢かという予想も難しくさせる状況にもなってきたかもしれません。

またしても三角保合い上抜けに失敗したNY金、
今後、上方ブレイク再トライに成功した場合には、
1836.9-1677.9=159、1721.1+159=1880.1、
年末にかけて1880ドル辺りまでの反発局面形成の可能性は高まりそうです。

一方で、反落して三角保合い下方ブレイクとなった場合には、
1836.9-1721.1=115.8、1815.5-115.8=1699.7、
年末に向けては1700ドル近辺までの下落は想定でき、その程度までにとどまる可能性もありそうです。

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