トランプ大統領の新型コロナウイルス感染から1週間。一般人ではありえない電光石火の入退院劇となって5日夕方には退院、ホワイトハウスへ帰還するプロモーション動画を公表。一時的には重症か?との見方もあった状態から手厚い治療を受けての早期退院は、感染拡大も懸念されるなかで周囲の反対を押し切っての強行退院との見方もあり、トランプ不支持派からは非難の声も後を絶たず。
表向きの支持率ではバイデン氏に大きく水を開けられた状態で、2回めのテレビ討論会がリモート開催となったことに対してトランプ大統領は参加を拒否、結果的に開催中止となるなど大統領選に向けた波乱の展開は続く様子。
さらに、追加経済対策の協議停止を指示して株価急落を誘発すると、翌日には前言撤回で民主党との歩み寄りを指示。市場の乱高下に巻き込まれた金価格も急落からの急反発となり、結果的には中期サポートに支えられて短期抵抗線を突破した状態に。
8月上旬の最高値を起点に上値を切り下げてきたNY金はこれまで下降チャネルを形成する一方で、6月安値を起点に下値を切り上げるサポートラインと昨年来の中期上昇トレンドをサポートしてきた90日移動平均線とがほぼ一致する形で三角保ち合いを形成。
9月末に1851ドルまで下落して以降、何度も90日線とサポートラインに支えられ、足下の乱高下を経て遂にこれを上抜け、さらに一目均衡表の転換線、基準線、そして雲の下限もまとめて上抜け。弱気相場からの脱出へと大きく動き出した可能性も。
乱高下途中の一時的な上振れでなければ、今後は雲の中での推移から、雲の上限、20日移動平均+2.5%乖離ラインなども重なる8月最高値から9月安値の半値戻し、1970ドル超えを目指す流れとなる可能性もありそうです。
ただし、10月末にはちょうど雲のねじれも発生し、大統領選前後に変動幅拡大も警戒されます。
郵便投票が多くなることも予想され、これを「インチキ」と非難するトランプ大統領は法廷闘争も視野に入れ、11月3日には決着がつかない事態なども警戒され始めているようです。
とりあえずNY金にとっての10月相場の行方は「雲の中」、ということにもなりそうです。
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