4月以降の保ち合いレンジ、概ね1980ドルから2060ドルまでを維持し切れなくなった5月後半のNY金。
1週間前には保ち合い下限1980ドルを割り込んでの急落も、いったんは急反発となって保ち合いレンジを回復し、一目均衡表の雲の上限にもサポートされたような状態に。
しかしその後もドル高基調が続いてNY金は雲の中へ、米経済指標の好結果やインフレ高止まりなども意識され、週末には6月FOMCでの追加利上げ予想も急上昇。
週末にかけて水準を切り下げたNY金は90日移動平均線(1947.1)を割り込み、雲の下限(1937.1)にサポートされた状態に。
そして5月4日以降上値を切り下げてきた上限ラインと4月以降下値を切り下げてきたラインとで斜行三角保ち合いを形成、この下限ラインでサポートされる状態にも。
斜行三角保ち合い先端付近ではその傾きと逆方向へと抜け出してきたNY金の反発確率は高く、今回も例外ではないかもしれません。
さらに、週足チャートで見ると11月初旬の安値1618.3ドルを起点に今年2月末から3月初旬の安値1810ドルを結ぶラインが直近安値1936ドルを通過。昨年秋以降の中期上昇チャネルを形成しています。
現状水準を維持して徐々にでも反発できれば中期上昇チャネル継続へ。
強めのサポート水準に差し掛かっているNY金、最も強めのサポートとなりそうなのは、6月FOMCでの追加利上げ観測が後退すること。
債務上限問題や月末月初の指標悪化、雇用統計のネガティブ・サプライズなどのきっかけがあれば、そうなってNY金は反発へと向かうことにもなりそうです。
そうならない場合には、複数の重要なサポートを下抜けて一段安の展開へ。保ち合いレンジの値幅分下落して1900ドル近辺へ、という展開も警戒されます。
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