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NY金、9月相場の行方は「雲の中」?

NY金、9月相場の行方は「雲の中」?

8月上旬に世界初の政府承認となったロシア製新型コロナウイルスのワクチンについて、外部専門家の検証で全ての治験者に抗体反応が見られ、特段の副作用も確認されなかったことが報じられ、ちょっとしたサプライズに。その他ワクチン開発進展報道なども複数報じられており、WHO(世界保健機関)によれば、ワクチンの初回投与分の流通はおそらく来年第2四半期か第3四半期との見通しとも伝えられ、コロナ禍の終息への期待感も徐々に高まりつつあるようです。
この週末に発表された米国の8月雇用統計では、失業率が8.4%となって3月以来、5ヵ月ぶりの1桁台に低下。雇用回復の進展を好感し、さらなる回復基調継続と加速への期待感も高まります。
その一方で、パウエルFRB議長は週末、雇用統計の好結果を認めながらも、回復基調は今後「長い道のり」となり、「金利は長期間低水準にとどまる」であろうとの指摘も。

これを象徴するように雇用統計発表後にはドル買い優勢となって金は売られたもの、NY市場終了までにはほぼ元の水準へ。
日足レベルでも同様で、ワクチン開発進展と雇用回復vs長期低金利見通しの構図を背景に、8月から上値を切り下げる展開が続きながらも、8月後半以降は保ち合い傾向が強まる展開となってきました。

ただし、テクニカル的には、
1)三角保ち合い上抜けに失敗して下抜けの兆しにも。
2)遅行線はロウソク足を下抜け、最新価格は基準線(1981.7)、転換線(1954.8)を下回る二役逆転。
3)下降し始めた20日移動平均線に上値を押さえられる状態に。
4)8月7日の最高値から上値を切り下げる抵抗線に沿って下落。
5)MACDラインはシグナルライン上抜けに失敗。
など、弱気相場を象徴するサインが多数。

それでも現状は、
6月安値から8月最高値までの38.2%戻し(1929.7)が強めのサポートラインとなってきた様子も。
この下値サポートを維持できれば、雲の上限にぶつかって跳ね上がるか、そのまま雲の中へと横ばい推移となって9月半ばのFOMC待ちへ、という展開にも。
この下値サポートを維持できなくなれば、50%戻しと雲の下限が重なる1880.5ドル付近が次の有効なサポートラインとして作用する可能性もありそうです。

どちらにしても、NY金の9月相場の行方は「雲の中」となる確率は高まりそうです。

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