6年5カ月ぶり高値をつけた9月4日から11月末まで、NY金の調整局面はほぼ3カ月続き、今年の上昇幅の38.2%戻しを達成した状態で師走入り。
足下では、11月12日安値1446.2ドルを下回ることなく、11月20日高値1479.2ドルを上回ることもできず、概ね1450ドルから1480ドルまで、30ドルのレンジで保ち合いを形成。ダブルボトムのような形状にもなっています。
米中協議が進展の兆しを見せて株高の流れが進行した11月も、月末には米国の香港人権法案成立で不透明感も再燃、NY金は下げ渋る状態にもなってきました。
現状の下げ渋りからの保ち合い状態は、12月前半のうちにブレイクしてそれなりの変動局面を形成する可能性も高まりそうです。
この週末に発表された中国国家統計局の11月製造業PMIは予想外に節目50を回復する好結果。月初に発表される各国製造業PMIも、米ISMのPMIも、いずれも景況感指数は回復基調が予想され、米雇用統計でも好調維持予想が優勢。これらの結果は第2週のFOMCにも影響しそうです。
今回のFF金利据え置きは確実視され、来年の見通しについては、月初の経済指標が好調なら若干のタカ派寄りとなることも想定されます。
12日には英国の総選挙。保守党過半数獲得で1月末の合意あるブレグジットに向けて進展となることがメインシナリオとなり、その可能性はかなり高そうにも見えます。
そして15日は米国の対中関税発動予定日。これが最もグレーな状況かもしれませんが、選挙を意識せざるを得ないトランプ大統領も、経済回復が急務となっている習近平主席も一部合意に向けては内心前のめり、との憶測も。
いずれかが予想外にネガティブな結果となれば、特に後半のイベントがそうなった場合には保ち合い上方ブレイクとなって保ち合い値幅30ドル分上昇へ。1510ドル辺りまでの上昇では済まない可能性もありそうです。
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逆に、全て予想通りポジティブな結果となれば、保ち合い値幅分の下落にとどまらず、9月以降3度の急落局面での下落値幅70ドル超の下落も予想されます。NY金は年末にかけて今年の上昇幅の半値戻しから、1400ドル付近まで調整幅を拡大する可能性も想定されそうです。
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