6月FOMC以降、年後半の「追加利上げ0.25%×2回」も選択肢、とのタカ派発言がパウエルFRB議長をはじめタカ派メンバーから繰り返し聞かれたことから、水準を切り下げてきたNY金。月末にはFRBが重視するコアPCEが市場予想を下回り、インフレ鈍化が意識されていったんは下げ止まりの可能性も示した格好に。
1900ドルの大台割れを回避して切り返したこともあり、底打ちの可能性への期待も高まる状況にも。
5月以降の斜行三角保ち合いを維持している状況から、今年何度も繰り返してきた「斜行三角保ち合い逆方向への切り返し」のパターンが繰り返される可能性もサポート要因に。
しかし、三役逆転の弱気相場が続く状態からの反発の勢いもまだ強くはない状況。5月高値からの下落基調は続き、N計算値適用で想定可能な下値目安1850ドル付近(6月高値2000.7ドルを起点に5月高値から安値までの下落幅149.4ドル分下落した場合の水準)を目指す流れ継続の可能性も否定できません。
年後半、最初の分岐点は雲のねじれが発生するタイミングでの6月雇用統計。賃金インフレ鈍化と雇用情勢悪化の兆しが確認されるようなら、NY金は斜行三角保ち合い上抜けとともに当面の底打ちの可能性も意識され始めるような展開となるかもしれません。
そうならない場合には、現状1回しか追加利上げを織り込んでいない市場見通しも、徐々に追加利上げ2回分を織り込み始め、NY金もズルズルと軟調推移が続いて斜行三角保合い先端付近へと向かい、気がつけば1800ドル台半ば、という展開も想定されそうです。
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