ロシア軍の完全撤退や領土問題を含む和平合意に向けては、まだまだ長い道のりとなる可能性も高そうな状況ながら、停戦への可能性を見出すことについては若干の期待も?という状況にもなりつつあり、軍事侵攻後に急騰した原油価格とともにNY金も2月末の開戦直後の水準まで戻してきました。
今週のFOMCでは、事前予想どおりゼロ金利解除となり、年内合計7回の利上げ見通しも示されて若干タカ派的、との見方も。ドルの高止まりと長期金利上昇も重石となり、リスク資産の巻き戻しの流れは一時的に強まる場面もあり、やや乱高下気味の展開にも。
ウクライナ危機緩和期待で想定されるNY金の短期下値サポートの2番めの水準、12月安値から3月高値の半値戻し(1915.9)を少し行き過ぎて反発、浅めのサポートとなる38.2%戻し(1954.3)付近までの自律反発でいったん落ち着いた格好にも。
結果的には、昨年8月安値(1677.9)を起点としたゆるやかな上昇チャネルの上限ラインを大きくオーバーランしたところから、急速に巻き戻し。想定外の軍事侵攻を受けて上限ラインを突き抜けの急騰も、状況が把握されて少しだけ落ち着きを取り戻すに連れての反落で、従来の軌道に戻った状態。
ただし、ウクライナ情勢としてはまだしばらくは予断を許さない状態でもあり、多少の上振れ懸念も残しながら、一方ではFRBの想定通りに引き締め政策が進行するかどうかの問題もあり、タカ派的に傾斜していくようならNY金にとっての下押し圧力となる反面、インフレ沈静化も長期化するようだとリスク要因となってNY金にはサポート要因にも。
今後、4月末に向けては上昇チャネル下限が1850ドル近辺へ、上限ラインは2000ドル付近までゆるやかに上昇。これがそのままNY金の当面の主要レンジに、という展開は比較的無難な予想かもしれません。
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