ブリンケン米国務長官がさんざん警告してきたロシアによるウクライナ侵攻が現実となった週。予想外に早いタイミングで、親ロシア派勢力が実効支配する東部地域だけでなく、全方位から、首都キエフにも早期進撃となって近日中にも陥落か、との見方もあるなかで2月半ばから圧倒的に売られてきた米株も進撃の24日に底打ち反転。
これに呼応するように2月に水準を切り上げてきたNY金も24日には1910ドル台から1970ドル台へと急騰。そして天井をつける形となっての急反落でこの週末には1900ドル割れ。
金に追随する展開となったNYプラチナも1080ドル近辺での保合い上方ブレイクとなって24日には一時1130ドル台まで急騰。天井をつけての反落では保合い下方ブレイクとなって週末には1050ドル近辺へ。
結果的にNYプラチナは12月安値(886.0)を起点とする上昇チャネル上限を一時的に突き抜け、9月安値(892.6)と12月安値(886.0)とで構成するダブルボトムのネックライン(11月高値1113.1)も上抜けてダブルボトム完成。と思われたのは一瞬、巻き戻しの展開となってダブルボトム形成には失敗、さらに急落後には上昇チャネル下限ラインとの攻防状態に。
工業需要の側面から、時に米株の流れにも追随することもあるNYプラチナ、今回は世界のプラチナ産出量の10%を占めるロシアがリスクの根源ということもあり、コモディティ高とリスク回避の金買いに追随する展開に。地上戦の長期化などからリスク回避再燃となれば、プラチナは上昇チャネル継続への可能性も残される反面、今後の停戦協議などの動向次第では巻き戻しの流れがもう一段進行する可能性も。
上昇チャネル下限ラインを割り込むようだと、上昇トレンド崩れとなって一定の調整局面形成へも。2月半ばまでの抵抗線となっていた200日移動平均線(1034.6)が浅めのサポートに切り替わる可能性も、これも下回ると一目均衡表の雲の上限(999.6)、12月安値から2月高値までの半値戻し(1009.0)近辺、1000ドルの大台近辺が中期的には重要なサポート水準にもなりそうです。
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