インフレヘッジの金買い需要に加え、ウクライナ危機への警戒感により、リスク回避の金買い需要からもNY金は急騰。
この週末にはバイデン米大統領が会見で「ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻を決定」と近日中の攻撃開始への警戒呼びかけとともに、ロシアへの自重を促すような牽制発言。
日曜日には北京五輪も閉幕し、プーチン大統領の自制を促す要因の一つも剥落し、現実化の有無は別としても確実に警戒感だけは一段と高まりそうな状況にも。
直近2週間で100ドル弱も水準を切り上げたNY金は8ヵ月ぶりに1900ドルを回復。日足に続いて週足でも一目均衡表の雲を上抜けて三役好転。2020年8月過去最高値を起点とする上限ラインとコロナショックでつけた2020年3月安値を起点とする下限ラインとで構成する中長期三角保合いも上方ブレイク。
2022年NY金のポジティブ・シナリオとネガティブ・シナリオのうち、ポジティブ・シナリオトライへと向かい始めた様相に。
目前に控えた重要な攻防ラインは昨年6月高値1919.2ドル。これを上抜けると3月安値(1673.3)と8月安値(1677.9)とで構成するダブルボトム完成。
ダブルボトムの値幅=1919-1675=244ドル、
1919ドルから最大244ドル上昇した場合の水準=2163ドル。
場合によっては今年、2年ぶりに過去最高値を更新する可能性もそれなりに高まってきたかもしれません。
ただし、地政学リスクによる急騰となった場合には、リスク解消もしくは大幅緩和とともに、全戻しの展開を余儀なくされる可能性も。
次週以降、一段高の展開となった場合でも、1800ドル程度までの急反落リスクも抱えることにもなりそうです。
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