1週間前の米11月雇用統計では雇用者数の伸びこそ予想外に低調となったものの、失業率などは好結果、その後今週発表されたの労働指標でも求人件数が想定以上に増加、失業保険申請件数は52年ぶり低水準など、好結果が連続。週末の11月CPIは39年ぶり高水準となってインフレ加速が止まらない状況となっても事前予想の範囲内として市場の波乱は回避。
最近の労働市場逼迫を示す指標結果が、今後のインフレ低下がそう簡単でもない可能性を暗示しているものの、今年最後のFOMC待ちというタイミングも市場のボラティリティ抑制要因にもなったようにも。
その結果、NY金も中期三角保ち合の先端部分で、薄くなった雲をはさんでの上下動。上下双方向にブレイク待ちの状態から脱することもできず、なし崩し的に保ち合い延長戦状態に。
逼迫しながらも回復基調が続く労働市場、やや行き過ぎた高インフレが続く状況からは、今回のFOMCではテーパリングの前倒しで早期利上げに備える対応は止むを得ず、利上げ見通しを示すドットチャートもややタカ派的となる可能性も想定されそうです。
FOMCでのタカ派的な姿勢と来年のタカ派見通しを市場がどこまで織り込み済か、あるいは想定以上のタカ派見通しが示されるのかが焦点にも。パウエルFRB議長のタカ派転換後初の、そして今年最後のFOMC後には、どちらかといえば保ち合い上方ブレイクよりは、下方ブレイクへと向かう可能性のほうが若干高そうにも見えます。
今年高値(1919.2)から今年安値(1677.9)までの38.2%戻し(1770.1)から50%戻し(1798.6)近辺までを主要レンジとした保ち合いから、上方ブレイクれなら61.8%戻し(1827.0)近辺程度までの上昇も想定される一方で、下方ブレイクとなれば、ボリンジャーの-2シグマラインから9月安値圏、1730ドルから1720ドル近辺までの急落は十分想定されそうです。
今年6月初旬と8月初旬の雲のねじれ付近では急落し、9月末には急反発も11月末のねじれ付近にかけてはまたも急落。
そして今週、12月7日から10日にかけて2度のねじれを保ち合い状態で乗り切り、次週14日には今年最後の雲のねじれが発生。
今年最後のFOMCとともに、NY金にとっては今年最後の下値警戒感も高まりそうです。
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