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約束の緩和縮小、雇用も好調、それでもNY金は保合い上限トライ

約束の緩和縮小、雇用も好調、それでもNY金は保合い上限トライ

テーパータントラムという過去の失敗を教訓に、量的緩和縮小は「引き締め」ではなく、「資産購入継続」のなかでその規模を徐々に縮小するだけ、であること、緩和縮小をスタートすることは「利上げフェーズへのサインではなく」、全く別物であることなどをパウエルFRB議長は何度も事前アナウンスしてきました。
そしてFOMCメンバの地区連銀総裁たちはその開始時期をあーでもない、こーでもないと市場織り込みが十分に浸透するように時間をかけて事前討論を繰り返してきました。

その結果、約束の緩和縮小開始を今週のFOMCで決定しても、米株主要3指数は揃って過去最高値を更新し続けました。
この影響は少なからずNY金のサポートとしても作用し、パウエルFRB議長の「利上げの時期ではない」発言とも合わせ、NY金の下げ渋りとここまでの保ち合い傾向の展開にも寄与してきたようです。

そして、この週末の雇用統計の好結果にも、米長期金利低下とドル安の流れにもサポートされてNY金は一段高。
今年6月1日高値(1919.2)と8月9日安値(1677.9)を起点とする「短期三角保合い」を上抜けてきました。ただし、2020年3月安値(1450.9)と8月の過去最高値(2089.2)を起点とする「中期三角保ち合い」の上限ラインとの攻防へ。

次なる市場のテーマは「高インフレは一時的」の賞味期限。
比較的早期にFRBの目標範囲2.5%程度以下まで収束することになれば、市場もFRBも一安心。あらためて雇用回復基調と景気回復動向を見守ることとなり、再度過熱感が生じることになれば 利上げも検討へ。
この場合には早期利上げ観測後退につながり、NY金の保ち合い長期化、あるいは多少の上昇局面形成にも。

逆に2.5%超の高インフレ状態がなかなか収束しない場合には、景気への悪影響が徐々に強まることも警戒され、FRBも利上げを余儀なくされることになれば、スタグフレーションという最悪の事態も警戒されることにも。
この場合には、リスク回避となってNY金は急騰へ、という展開もあり得るかもしれません。

いずれにしても、短中期的にはNY金にとっての下方リスクはやや低減し、61.8%戻し(1694.7)近辺から38.2%戻し(1845.3)近辺までを主要レンジに保ち合い傾向がしばらく続くような展開、との見通しが有力かもしれません。

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