年内テーパリング開始を示唆したことはほぼ想定内。9月FOMCでは、FF金利見通し中央値では来年にも利上げスタートの可能性を示したこと、パウエルFRB議長の「来年半ばにテーパリング終了」発言などが若干タカ派的となり、週末にかけて長期金利上昇とドル高が進行。NY金は軟調推移の展開を余儀なくされました。
FOMCの前後には中国恒大集団のデフォルト懸念がリスク要因となって一時的には株安・金高をサポートする場面もありましたが、流れが大きく捻じ曲げられるような展開には至らず。
結果的にFOMC後のNY金の安値は1737.5ドル。8月安値から9月高値までの61.8%戻し(1738.6)にサポートされ、一目均衡表の雲の下限を割れての三役逆転もギリギリ回避。
これまで反発局面では61.8%戻しの水準で何度も上値を押さえられてきたNY金、今回は61.8%戻しの呪縛にいったんはサポートされた格好に。
しかし、この先も金融政策正常化に向けた流れを背景に、雇用情勢回復基調が順調に進めばドル高優勢の展開にもなりやすく、NY金にとっては上値の重い状態となり、ガマンの時間はもう少し続くことにもなりそうです。
差し当たり、8月安値と9月高値を起点とする三角保ち合いの頂点が一目均衡表の雲のねじれと重なるタイミングが10月第1週。今回、9月雇用統計は第2週末の8日となる為、要警戒となる米重要指標は10月1日金曜日に発表されるPCEデフレーターとISN製造業景況指数。
PCEインフレ高止まり等には要注意、という展開にもなりそうです。
三角保ち合い下方ブレイクなら、8月安値も意識されそうです。と同時に2020年3月安値から同年8月の過去最高値までの61.8%戻し(1694.7)辺りで下値を支えられる可能性も。
またしても61.8%の呪縛がサポートとして機能する可能性も残ります。
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