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ジャクソンホール通過で緩和スタンス維持、NY金は一段高も

ジャクソンホール通過で緩和スタンス維持、NY金は一段高も

労働市場の回復基調が今後もある程度順調に続きそうな状況からは、資産購入を徐々に減額して緩和規模を縮小していくQE縮小、いわゆるくテーパリングをスタートするのは時間の問題というのが市場コンセンサスとも言える状況で迎えたジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演。
少し前からFOMC参加メンバからはタカ派寄りの発言もかなり聞かれるようになり、すぐにでもテーパリング開始を宣言して即スタートすべき、といった論調まであったことから、年内のテーパリング・スタートの正当性を示唆するパウエル議長発言にはそれほどのインパクトもなし。「テーパリングが利上げにつながるシグナルではない」と明言したこともあり、緩和スタンスを維持するイメージを崩さず市場の混乱を回避、どころか株高加速をサポートした格好にも。

この株高の流れにも連れ、この夏場に二度の急落を経験した後に一定の反発局面を形成してきて一服状態にもなりつつあったNY金も一段高の展開へ。1800ドル手前で上げ渋っていた状態から、大台回復とともに一目均衡表の雲の下限を超えて90日や200日移動平均線も上抜け。
6月1日高値から8月安値までの半値戻し(1798.6)付近での揉み合い状態から、61.8%戻し(1827.0)付近となる1820ドル近辺まで急騰した格好に。

6月FOMCでは2023年に2回の利上げ見通しが示されて1900ドル付近から1800ドル割れへと急落し、1ヵ月半かけて1800ドル台前半を回復したところで8月初旬、7月雇用統計のポジティブ・サプライズを受けて1800ドル割れへと急落。若干の売られ過ぎもあって一時1700ドル割れへと一段安。
ここからの反発局面では、売られ過ぎの巻き戻しや、サプライズからの戻りなども考慮すれば、十分戻してきたような状態のようにも。年内のQEスタートなら2021年のどこかでQEを終え、その間も雇用回復基調は続いて金融政策正常化へ、即ち利上げ準備も整うことにもなります。
6月FOMCで示された2023年に2回の利上げもまんざらではない状況にもなりそうで、そうなれば既に戻り水準としては妥当な水準にも。
さしあたり、9月初旬の8月雇用統計でも好結果となれば、再びタカ派優勢ムードにもなりかねず、株安・ドル高でNY金も再び売り圧力にさらされる可能性もあります。

そう考えると、61.8%戻し(1827.0)から一目均衡表の雲の上限(9月半ばまで1834.7)辺りまで、1830ドル近辺までが当面の戻り高値としては妥当な水準となる可能性も否定できません。

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