4月FOMC議事要旨では「いずれテーパリング協議」が必要になることに言及したメンバーが複数名と伝えられたものの、長期金利上昇とドル高、株安に金売りの流れは限定的にとどまりました。
現時点では、以前からタカ派寄りの発言が目立っていたダラス連銀のカプラン総裁が5月に入って「緩和縮小の議論開始を希望」、今週には「緩和縮小を早めに検討すべき」など直接的な表現も。さらに、10日ほど前までは「回復はまだ途上」としていたフィラデルフィア連銀のハーカー総裁もこの週末には「緩和縮小議論は早めの開始が望ましい」との発言。
週末には米国の5月製造業PMIとサービス業PMI、総合PMIの5月速報値がいずれも市場予想を上回る好結果となったものの、ドル安基調は変わらずNY金の調整も限定的となっています。
営業日で4週と1日の5月をここまで3週続伸のNY金は今週、3ヵ月半ぶりに200日移動平均線をあっさり上抜け、今年高値から安値までの61.8%戻し(1852.0)も上抜け、昨年8月の最高値から今年安値までの半値戻し(1881.3)に到達。そして3月安値を起点とした上昇チャネルの上限付近にもぶつかって上昇一服、しかし下げ渋る状態。
高止まり状態が続いたまま6月4日の要注意日が近づけば、反落警戒感は一段と高まりそうです。
上昇チャネル下限ラインが今後通過する1800ドル台半ば辺りまでのレンジ内で早めに調整が入れば、下値を固めていずれ1900ドルの大台再トライへ、というシナリオも想定しやすくなりそうです。
しかし、高止まりのまま6月4日を迎え、雇用統計が想定以上の好結果となり、それを受けてテーパリング協議開始を支持するFOMCメンバの3人め以上が判明するなどした場合には、反落の勢いが一段と強まることも警戒されます。
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