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加速予想の米労働市場は急失速、NY金は脱・下落トレンド加速

加速予想の米労働市場は急失速、NY金は脱・下落トレンド加速

「インフレ上昇は一時的、テーパリングについては議論開始も時期尚早」とのスタンスは一定のFOMCのメンバ内でも共有され、5月に入ると複数の地区連銀総裁やFRB理事達からも異口同音に慎重姿勢を促すような発言が聞かれ、米10年債利回り上昇も一服状態となっていたのが4月雇用統計への伏線となっていたかのような展開となりました。

4月雇用統計では雇用者数の伸びが前月から100万人増と威勢のよい数字が市場コンセンサス。3月以降の雇用関連指標などの好結果を踏まえると、十分現実味もある予想値のようにも見えました。むしろ、さらにこれを上回るようなサプライズもありか?との声も聞かれるほど。
しかし、結果はその3分の1にも満たない体たらく、前月比+26.6万人。
久々のネガティブ・サプライズとなって市場反応も最近ではまれに見る波乱の展開に。

ドル高の流れに失速感もあったドル円はハシゴをはずされた形となって109円割れへと急落。伸び悩み感もあったNY金は前日からの上昇の兆しが加速。
週足では一目均衡表の雲の下限(1767.7)付近での攻防状態から明確に上抜ける形の大陽線を形成。
ボリンジャーのセンターライン、20週移動平均線(1790.8)を上抜け、一目の基準線(1819.7)も上回って一役好転。週末には52週移動平均線(1836.6)も一時上抜け、昨年8月最高値から3月安値までの38.2%戻し(1232.2)を達成し、その8月来の下落トレンドからは抜け出した格好にも。

MACDラインもシグナルラインを上抜けて上昇トレンドスタートのサイン、今後0ラインを超えることができればさらなる堅調地合いへも。
ただし、そうなるためには、まずは52週移動平均線との攻防を突破して50%戻し(1881.3)達成、辺りまでの上昇も必要となりそうです。
そうなれば、さらに雲の上限との攻防、ボリンジャー+2シグマラインとの攻防、遅行線とローソク足との攻防なども加わり、抵抗感が一段と増すことにもなりかねません。

しかし、最も大きな抵抗となりうるのは、今回の雇用統計の低調な結果が一時的となり、再び他の指標などでも好結果が続き、改めて労働市場の回復基調加速が意識されて長期金利も再び上昇の兆し、あるいはテーパリング前倒し観測再燃など。
そんな懸念がそう簡単には払拭できない可能性も想定すると、しばらくはNY金の先行き見通しも週足チャートもしばらくは雲の中、となるかもしれません。

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