韓国の現代自動車グループが今年、中国に燃料電池の工場を建設し、2022年下期から量産開始予定との報道が今週ありました。
カーボン・ニュートラルに向けて、世界的には電気自動車のほうが現時点では優勢となってはいるものの、充電時間や走行距離などでの優位性も生かし、水素エネルギーによる燃料電池車を評価する声も少なくはないようです。
中国政府は以前から電気自動車(EV)とともに燃料電池車(FCV)の推進にも力を入れており、特にトラックなどでは燃料電池車が先行するとの見方もあるようです。
東京五輪の関係車両としても、電気自動車と共にトヨタの燃料電池車も使用予定とのことでしたが、こちらは東京五輪自体の予定がどうなるかで、今後の注目度はやや微妙な状況にも。
それでも一定程度の割合で水素電池の利用が広まる可能性は高く、その触媒利用としてのプラチナ需要の増加も見込まれて足下のプラチナ価格の急回復をサポートしています。
週足チャートで見るNYプラチナは、昨年3月のコロナ・ショックでつけた17年ぶり安値562ドルを起点に上昇トレンドが続いています。
昨年8月には1035.5ドルの高値まで473.5ドル上昇し、9月安値821.3ドルまでの調整をはさみ、年末から再び上昇基調を強めて一目均衡表では三役好転。
8月高値付近では揉み合いながらもこれを明確に上抜けると、年明けには1100ドルを超え、1月後半には4年5ヵ月ぶり高値となる1160ドル台まで上昇。
月末にかけてボリンジャーの2シグマライン付近でのバンドウォークから、やや失速気味とはなっていますが、三役好転は維持。
9月安値821.3ドルを起点として、昨年3月から8月までの上昇値幅473.5ドル分上昇した場合の水準は1294.8ドル。
2013年から2014年秋頃までの高値保ち合い下限となっていたのがちょうど1300ドル近辺。
上昇トレンドを当面維持できると見る楽観シナリオなら、プラチナは今年1300ドル近辺まで上値を伸ばす可能性もあるかもしれません。
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