日本時間では週明け16日、月曜日の早朝発表されたFRBの今月2度めの緊急利下げ。NY時間では日曜夜にもかかわらず、あえてこのタイミングを選んでゼロ金利と量的緩和再開を発表した意図は市場に伝わったのか?甚だ疑問も残るところ。
主要各国中銀との協調行動による流動性供給や、各国中銀の緊急利下げに追加緩和策なども追随。コロナショックによる影響緩和のためのドタバタで、逆に市場の不安を煽る状態もエスカレートした感も。
FRBの発表直後、いったんはこれを好感した時間外のNY金は1570ドル台までの急騰で反応。しかし、これがこの週の高値となり、週末にかけては上値を切り下げる調整局面継続へ。
とりわけ16日の月曜日は市場もトタバタ、当局の焦燥感を測りかね、消化し切れずリスク回避ムードが最大級に高まってセリング・クライマックスを思わせるような状態にも。
VIX指数は16日にリーマンショック時の終値ベースでの高値を超えて過去最高を記録、サーキットブレーカー発動となったNY株式市場ではダウが約3千ドルの暴落で過去最大の下げ幅を記録。
NY金も株とともに売り込まれたNY市場朝には1450ドルまで、15時間で120ドル超の急落局面を形成。しかし、結果的にはこれがこの週の安値にもなり、週末にかけて株価がさらに水準を切り下げる展開となったのに対し、下げ渋ったNY金は週末時間外には1500ドルを回復。
週足チャート上では雲の上限と52週移動平均線で下げ止まり、まずは第一段階のサポート水準1400ドル半ばでしっかりサポートされた状態です。
これでNY金の調整局面終了へ、となる可能性も残されますが、コロナショックの動向については先行き不透明感が全く払拭されていません。
株安の流れがさらに続き、ドル独歩高の流れも続き、VIX指数がリーマンショック時のザラ場ベースでの高値も超えて一段高となるようなら、NY金ももう一段の下げが予想されます。
2019年以降の急騰チャネルを下抜けた状態のNY金は、2018年以降のゆるやかな上昇チャネルの上限ラインにぶつかって反落した形にもなっており、2018年8月以降の下値サポートライン、雲の下限や104週移動平均線などが集中する1300ドル台後半、第二段階のサポート水準が重要な節目水準として意識されます。
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