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コロナショックの株安連鎖にNY金も急騰局面から調整局面入りへ

コロナショックの株安連鎖にNY金も急騰局面から調整局面入りへ

原油暴落でスタートした3月第2週、コロナショックはパンデミックとなって市場は一段と大荒れ、株安連鎖は止まらず欧米主要株価指数は歴史的急落を繰り返して軒並み弱気相場入り。この余波は金市場にも波及、週初の時間外に7年3ヵ月ぶり高値となる1704.3ドルまで急騰したNY金もピークアウト。キャッシュ化の流れもスタートして米ドルの独歩高。債券も売られて米10年債利回りも9日に史上最低となる0.3%台まで急低下した後は急反発。
NY金は週末につけた安値で1504ドル。1週間で200ドル超の暴落状態となり、昨年夏以降の急騰局面の終焉を示唆する上昇チャネルの下限割れ。

昨年秋以降、価格水準を切り上げてきたのに対し、RSIとMACDのピーク水準が切り下がるダイバージェンスが示唆したとおりの調整局面入りともなっています。
長期的な水準としては、過去最高値となった2011年の1920ドル台から2015年安値1040ドル台までの76.4%戻しとなる1716ドルに少し及ばず、失速。

中期的には、2018年8月安値1167.1ドルから9日につけた今年高値1704.3ドルまでの38.2%戻し(1499.1)付近まで一気に水準を切り下げる展開となっています。
心理的節目となる1500ドルの大台を割り込まなかったこと、週足・一目均衡表の遅行線がロウソク足を下回らなかったことなどから、この水準ではいったんサポートされる可能性もありそうです。ただし、その為には多少、市場が落ち着きを取り戻すことも必要となりそうです。

新型コロナウイルスの感染拡大はまだ当面避けられず、警戒感は続くものの、この週末に非常事態を宣言した米国の財政出動とコロナ対策支援策を好感するムードもあり、次週のFOMCでも市場の期待どおり、ゼロ金利への利下げと明確な量的緩和再開などが示されれば、市場の悲観ムードもある程度緩和されることも予想されます。

しかし、月初の緊急利下げのように市場の不安感払拭に失敗すれば、株安連鎖は止まらず、NY金の調整局面ももう一段深堀りへと向かうことにもなりそうです。
上昇傾向が続く52週移動平均線は今週時点で1455.5ドル。週足一目均衡表の雲の上限は次週1452.7ドル。この1年7ヵ月続いた上昇値幅の半値戻しなら1435.7ドル。
1400ドル台半ばの水準が、次の第一段階のサポート水準ということにもなりそうです。

さらに市場の混乱が続くようなら、雲の下限は次週1375.3ドル、当面ゆるやかに1380ドル台へと上昇。フィボナッチ61.8%戻しなら1372.3ドル。104週移動平均線も1360.8ドル。2018年8月安値から2019年前半までのゆるやかな上昇トレンドを支えてきたサポートラインも1300ドル台後半。

中期的には、1300ドル台後半が第二段階の、強めのサポート水準として作用する可能性もありそうです。
と同時に上昇トレンドを支える、最後のサポートラインにもなります。

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