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NY金の長期攻防ライン

NY金の長期攻防ライン

年初の米イラン対立による地政学リスクが後退し、米中第1段階合意署名に伴う安心感も束の間、今度は中国発の新型コロナウイルスが猛威を振るい、パンデミックリスクへの警戒感が徐々にマーケットへも拡大し始めました。

NY金は今週、ジリジリと水準を切り上げる展開となって年初の高値圏1570ドル台へと再浮上。一時的につけた高値1600ドル台再トライも意識されそうな状況にもなってきました。
しかし、今回の新型肺炎拡大リスクも現状では感染者拡大の様相になってはいますが、いずれは収束するはずの、すべき事態でもあり、まもなく市場の警戒感も収まることも予想されます。地政学リスクと同様に、事態悪化への警戒感で上昇した値幅は、事態収束のメドが立ち次第、何事もなかったかのように元の水準へと戻る運命にもあります。

また、昨年秋の高値と比較して、現状はさらに価格水準を切り上げる状態となっているのに対し、オシレータ系指標のピークは切り下がる逆行状態。反落しやすい状況にもあります。

ただ、NY金は現在、長期的に見て重要な攻防ラインに差し掛かっています。
2011年の過去最高値から2015年12月の安値で大底をつけた後、2019年夏に長期逆三尊を完成させて上抜け、現在は新たなステージを展開中。
4年余りかけて下落した値幅の38.2%戻しとなる重要な節目を上抜けると、半値戻しも超えて、年初には瞬間的ながら61.8%戻しも達成。

この61.8%戻しライン、1588.2ドル近辺、1500ドル台後半の水準は2011年夏から2013年春の暴落前までの、歴的高値圏を形成した時の抵抗線にもなり、サポートにもなった重要な節目水準。
今、まさにこの水準と対峙する状況にもあり、そう簡単に完全には超えられない展開も予想されます。

しかし、いずれはこの水準を超えていくような展開も十分想定可能とも思われます。
例えば、FRBの向こう1年の金融政策据え置き予想に変化が見られた場合。1年間据え置いた後に利上げ再開との思惑が逆方向へ、利下げ再開を余儀なくされそうな事態となった場合などには、一段高となる確率が一気に高まりそうです。

長期攻防ラインを上抜けた場合の想定可能な水準としては、
長期逆三尊のネックライン=38.2%戻しライン=1380ドル。
逆三尊の値幅=1380-1045=335ドル。
到達可能な高値目安水準=1380+335=1715ドル。

61.8%戻しの水準を完全に上抜けることになれば、76.4%戻しが視野に入ることになりそうです。

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