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2020年、NY金38.2%の明暗

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2020年も残り1週間、NY金は今年、9年ぶりに過去最高値を更新し、史上初めて2000ドルの大台を超えた節目の年となりそうです。
コロナショックで急騰したイメージもありますが、NY金の価格高騰局面はそれ以前から続いており、今年1月時点で既に1600ドルに到達し、2月には1600ドル台後半へと上値を伸ばす展開となっていました。
コロナショックとなった3月の乱高下を経て、世界的大規模金融緩和とゼロ低金利長期化見込みなどから、夏にかけてさらに500ドル水準を切り上げる展開となりました。

今回の急騰局面の起点となったのは2018年8月16日安値、1167.1ドル。ここから2年間の上昇トレンドを形成し、2020年8月7日高値で2089.2ドルまで上昇。
そして、この8月7日高値を起点とした調整局面が4ヵ月弱続き、11月30日安値では1767.2ドル。
史上最高値からの調整局面がいったんは底打ちしたと仮定すると、2018年8月安値から今年8月最高値までの上昇幅に対する38.2%戻し(1737.0)の少し手前で反発した状態。

そして、この11月30日安値を起点とした反発局面が1ヵ月弱続き、12月21日高値では1912.0ドル。
8月の最高値から11月30日安値までの下落幅に対する38.2%戻し(1890.2)を達成し、その後は一服状態。この38.2%ラインを一時的には超えたものの維持はできず、微妙なラインで頭打ちとなった状態のようにも見えます。

2021年を迎えるにあたり、過去最高値を更新した2年間の上昇値幅に対する38.2%戻しで調整局面を終え、その調整幅に対する38.2%戻しの水準が新たな攻防ラインとして立ちはだかります。
この38.2%戻し(1890.2)のすぐ上には90日移動平均線や雲の下限、上限などが集中して行く手を阻みます。これらを全て上抜けることができれば、50%戻し(1928.2)なども意識され、上昇チャネルに沿ったトレンドが年初にかけてもう一段続く可能性も高まりそうです。

逆に38.2%戻し(1890.2)超えに失敗するようだと、上昇チャネルに沿った反発基調が崩れ、新年とともに新たなトレンドを模索するような展開にもなりそうです。
2021年にはワクチン効果なども広まり、ポスト・コロナかウィズ・コロナが続くかはともかく、間違いなく景気回復は進行するものと予想されます。そして、1年後か数年後かはわかりませんが、いずれコロナ前の時代が再び意識される時期がやってくることになります。
ただし、それを支援するためのゼロ金利と緩和政策も当面継続するとの見通しも、しばらくは維持されそうです。

ゼロ金利解除は2023年以降と予想される現状、これが今後少しでも前倒し予想が見られ始めるようだと、流れが大きく変わり始めることにもなりそうです。
20021年以降、中長期的には2018年8月安値から2020年8月最高値までの38.2%戻し(1737.0)を下回るようだと、50%戻し(1628.2)が意識されることとなり、NY金もコロナ前の水準(1600ドル台)へと向かう時が来ることになりそうです。


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