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ワクチン相場で急落のNY金、調整38.2%を維持して下げ渋り

ワクチン相場で急落のNY金、調整38.2%を維持して下げ渋り

米大統領選は7日のバイデン勝利宣言から1週間経過後もトランプ大統領の敗北宣言はなし。
7日の大勢判明後にも開票作業は続き、NY14日朝時点で総得票数では540万票超の差をつけ、バイデン氏は選挙人を306まで伸ばし、トランプ大統領は232。過半数の270人を大幅に上回るバイデン氏を逆転するのは事実上不可能であることをトランプ大統領も理解しながらも、敗北宣言をどういう形でしようかと思案中の様子も。

大統領選では多少の乱高下もあった市場の流れは概ねリスク選好優勢の展開となり、ドル安に乗じてNY金も1週間前には水準を切り上げる展開となったものの、これも一時的。バイデン勝利宣言を待って週明けに発表された米製薬大手ファイザーのワクチン治験結果では、数万人対象で有効率90%超のポジティブ・サプライズ。
不透明感払拭とコロナリスク早期緩和への期待感急騰によって世界同時株高の流れとなり、安全資産としての金買いの側面が剥落してNY金は100ドルほどの急落。

NY金は8月最高値から9月安値までの38.2%戻し(1942.0)を超え、50%戻し(1970.1)付近までで反発局面を終了。9日高値1966.1ドルで力尽きた格好でその日のうちに1848.0ドルまで急落。今年最大の急落となって9月安値1851.0ドルを下回りました。しかし、3月安値から8月の最高値までの38.2%戻し(1845.4)は下回らず、ちょうど調整の38.2%にサポートされて下げ渋った格好にも。
大きく見れば最高値を頂点に上値を切り下げ、下値は1850ドル前後の水平ラインでサポートされる下降三角保ち合い上抜けに一度失敗し、急落後に再度上抜けトライの様相にも。

しかし現状は1900ドルの大台には届かず、その1900ドルの大台ラインや20日移動平均線(1898)、水平状態で重なる基準線と転換線(1907.1)、雲の下限(1912.2)など抵抗線候補も集中し、この水準を上抜けるのはそう簡単ではないかもしれません。
下方向へも、すぐにでも調整の38.2%を超えて50%戻しとなる1770ドル方向へと向かうような下押し圧力はまだないものと思われますが、当面はこの調整の38.2%ラインが重要なサポートラインとして意識されそうな状況にはなってきました。

ポジティブに見て、水平移動し始めた20日移動平均線の上下2.5%乖離ラインをレンジとして横ばい推移傾向に、シビアに見れば20日移動平均線から2.5%下方乖離ラインまで、概ね1850ドルから1900ドルまでが当面の主要レンジにも。

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