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3月から続くNY金の下落トレンド脱却を阻む壁

3月から続くNY金の下落トレンド脱却を阻む壁

7月末FOMC以降のNY金の急反発局面の原動力としては、
1)次回9月以降の利上げペースは減速するのでは?との市場の思惑を誘発したパウエルFRB議長の曖昧な言動
2)米第2四半期GDP速報が2四半期連続のマイナス成長=リセッション、高インフレを伴うスタグフレーション懸念
というところ。

ところが、8月第1週に発表された経済指標では予想通り低調なものに紛れて、意外と堅調な指標もチラホラ。
水曜日のISM非製造業景況指数に加え、週末の雇用統計はポジティブ・サプライズ。雇用者数の伸びが市場予想の倍以上となり、失業率も50年間での最低水準となる3.5%まで低下するなど、既に完全雇用と思われていた状態からさらに一段と改善。
これなら大幅利上げを続けても十分耐えられる、とばかりにスタグフレーション懸念後退とともに大幅利上げ継続への思惑が再燃。

今年3月以降の下落トレンドからの脱却寸前のところまで来ていたNY金は、たまらず急反落。今年の下落トレンド脱却トライ1回目は失敗。
それでも次週、7月CPIでインフレ緩和の兆しが見られるようなら、NY金は2回めの下落トレンド脱却トライへと向かい、その後の利上げ見通し緩和度合い次第でいずれ、1800ドル台後半を目指すような展開もあり得るかもしれません。
しかし、そうならなければ下落トレンド脱却再トライは先送りへ。

NY金の下落トレンド脱却を阻む壁としては、
1)大幅利上げ継続見通し
2)スタグフレーションを含むリセッションや景気減速懸念の緩和
3)ドル高基調とその継続見通し
など。

さらに目前に迫る水準としては、
1)3月8日と4月10日高値を結ぶ今年の下落トレンド上限ライン(1812.6)※月末にかけて1760ドル辺りまで下落
2)3月の今年高値から7月の今年安値までの38.2%戻し(1831.4)
3)90日移動平均線(1839.7)
4)一目均衡表の雲の下限(1840.2)※月末にかけて1740ドル近辺まで下落
5)200日移動平均線(1841.7)
など。
1840ドル近辺はこの夏場、強めの抵抗水準となる可能性もありそうです。

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