9月高値1566.2ドルをピークに調整局面が続いたNY金は、11月安値1446.2ドルをボトムとして下値も切り上げ続ける三角保ち合いを形成。
その頂点付近に到達し、ちょうど雲の下限にもぶつかる状態となったのが1週間前。
反落警戒感もあり、下方ブレイクとなれば今年夏の急騰幅の半値戻し(1416.8)へと向かう流れとなる可能性と、上方ブレイクできれば9月以降の下落幅の半値戻し(1506.2)へと向かう可能性が想定されましたが、結果は後者。
しかも上方ブレイク後には急騰局面を形成して雲の上限も超えると一段と加速、半値戻しを早々に達成すると、61.8%戻し(1520.4)にもほぼ到達。
リッチモンド連銀の製造業指数が低調となり、一連の地区連銀製造業景況感の低調ぶりへの警戒感などもきっかけとなり、年明け予定とされる米中合意署名に向けての一抹の不安や英EU離脱交渉期間設定への不安なども背景にはありそうです。
ともあれ、NY金の調整局面は2ヵ月で終えていたことになり、反発局面は1ヵ月半経過して三役好転の強気相場入り。さらに一段高へと向かう可能性も意識されそうな状況にもなっています。
しかし、値幅的にも水準的にもキリの良い水準に達しています。
20日移動平均+2.5%乖離ラインに到達し、この1520ドル近辺は過去に何度も上値を押さえられてきた水準。
さらに、11月安値までのレンジでは変則的な逆三尊を形成するような状態にもなり、1520ドルはちょうどそのネックラインにも相当。
この1520ドル近辺で上値を押さえられる状態が続くようだと、反発局面も2ヵ月以内で終えて再び調整局面入りへ、という可能性も警戒されます。
年初の米指標で好調が確認され、米中合意が現実的となるなどした場合、再び下値トライ圧力が強まることにも。
2020年前半に向けて、米中関係がこじれることがなく、株高の流れも続き、さらにインフレ上昇の兆しも見られるなどした場合、
1520ドルを起点に9月から11月までの調整値幅120ドル分下落すると・・・1400ドル。
逆の展開となり、年明け以降も逆三尊のネックラインを超えて一段高の流れとなった場合、
1520ドルを起点に、逆三尊の値幅約70ドル分上昇すると・・・1590ドル。
2020年前半、NY金は1600ドル付近まで大きく水準を切り上げるか、もしくは1400ドル付近までの大幅調整へ、両極端なシナリオが想定可能です。
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